前歯の1ピースインプラント・2ピースインプラントの違いとは

前歯のインプラント治療なら骨造成をしない新宿の岸本歯科医院にご相談ください。
これから治療をお考えの患者さんが分かりやすいように前歯部の難しい症例を写真付きでで解説をしています。

前歯のインプラント図

インプラント治療を行う一部の先生には、「前歯には、1ピースインプラントは向かない」とお思いの方もいらっしゃいますが、骨造成を行わない岸本歯科医院ではむしろ積極的に前歯に1ピースインプラントを採用しております。
その理由は2ピースインプラントは前歯にはリスクが高いと考えるからです。
上顎の前歯は指で挟むとお分かりになると思いますが、骨の幅が狭くてインプラント植立ができない場合が少なくありません。
図1の歯を抜歯しますと図2のようになりますが、時間が経つと口唇側の骨が吸収してきて図3のように骨幅が狭くなりますので、インプラント植立ができません。
そのため、骨幅を増やすために、骨移植が必要になりますが、これはこれでとても大変なことです。
骨移植や骨造成を行うと、本来人間の体に存在しない物質を入れるので痛いし腫れるし、という手術以外での腫れや痛みの可能性が極めて高くなります。

それ以外にも、期間はかかるし、費用もかかる。
自分が患者であったら逃げ出したくなります。

患者さんの立場を考えるとお勧め出来ません。当院の採用している1ピースインプラントは、HAコーティングされたインプラント体を採用しており、ハイドロキシアパタイトという人間の体に馴染みやすい成分でコーティングされている為、骨との相性が良いので採用しております。


前歯のインプラント2ピース

では、インプラントを深くいれたらどうでしょう?
悪くはありませんが、2ピースインプラントでは問題が生じる場合がございます。
2ピースインプラントとは根の部分(フィクスチャー)と土台の部分(アバットメント)の2つの部品からできていて、フィクスチャーとアバットメントをネジを使って留める構造です。(図4)
このフィクスチャーとアバットメント接合部には微妙な隙間(マイクロギャップ)が存在し、そのマイクロギャップに細菌が住みつき、悪さをします。
このマイクロギャップは周囲の骨に炎症物質を出して骨を溶かすことが知られています。
従って、2ピースインプラントを深くいれると、フィクスチャーとアバットメント接合部まで骨が吸収するのです。(図5)
そのため、2ピースインプラントでは、フィクスチャーとアバットメント接合部を深い位置にすることがないように、骨の高さをインプラント全周同じ高さにする必要があります。
一部分だけ接合部が深い位置にくると、その部分に骨吸収がおこるのです。
そのため、骨移植などの骨造成術が必要になります。(図6)

これは費用などの面も含めて大変です。


一方、1ピースインプラントにはフィクスチャーとアバットメント接合部がないために(図7)、深くインプラントをいれても骨吸収などの問題がおきません。(図8)
インプラント周りの骨の高さを同じにするような処置はいらないのです。


インプラント骨吸収 インプラント骨吸収2

上記の図9は2ピースインプラントを深く埋入したため、フィクスチャーとアバットメント接合部まで骨が吸収したレントゲンをトレースしたものです。
歯肉から膿が出たりします。

図9のレントゲンもご確認していただけるとよりわかるのではないかと思います。


前歯のインプラント写真

図10は1ピースインプラントを深く埋入していますので、骨の吸収はありません。
ただ、1ピースインプラントは1本の棒のような構造なので、角度の補正ができません。
すなわち、インプラントを植立するときに方向に気をつけ、注意深く埋入する必要があります。
またすべてのケースで採用できる治療法でないことも事実です。
1本から2本のインプラント治療に採用できます。
図11は1ピースインプラントを埋入れした口腔内です。
良好な歯肉の状態です。

岸本歯科医院ではフィクスチャーとアバットメント接合部が歯肉の中にある2ピースインプラントに比べ、1ピースインプラントは歯肉の健康のために優位であると考えています。
岸本歯科医院で採用しているミューワンインプラントAQBインプラント1ピースのインプラントメーカーです
私は前歯治療における1ピースインプラントの有効性を日本顎顔面インプラント学会や日本先進インプラント医療学会で発表してきました。
今後その有効性が広く認識されてくると思います。
事実、最近2ピースインプラントが主力であったインプラントメーカーが1ピースインプラントを発売するようになりましたので、インプラント製造メーカーでも少しずつ流れが変わってきています。
岸本歯科医院では今まで蓄積された1ピースインプラントの症例数と経過年数があります。
夢ではありますが、それを国際学会に報告したいと考えております。


腫れる原因にもなりやすい骨造成や骨移植を行わない事によって、痛みも治療費も抑えることができます。メール相談もお気軽にご利用ください。

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