No.64インプラントは歯ぎしりに弱い

インプラントは歯ぎしりに弱い

一般的に歯ぎしりは3種類に分けられます。
第一は、おもに夜、歯を噛んだままギシギシこすり合わせるグライディング(これを一般的に歯ぎしりということが多い)、第二に、上下の歯を食いしばるクレンチング、第3に、上下の歯をカチカチいわせるタッピングがあります。
歯ぎしりの原因はよく分かっていません。ストレスを発散させるための説と、嚙み合わせに問題があるという説などがあります。
特に一部分だけ強く当たる場合、例えば歯科治療でかぶせたばかりのクラウンやインレー、ブリッジなどが強く当たる場合、生体が削りおとそうとギシギシこすり合わせることもあります。

歯ぎしりは歯にとってよいことはなく、かぶせものがはずれる、歯がわれる、歯周病が進行する、などのことが起こることがあります。

自然の歯は歯根の周りに歯根膜という線維性の組織があり、それを介して顎の骨にうわっています。
いわば歯根の周りに座布団のようなショックアブソーバーがあるのです。
したがって、自然の歯はある程度歯ぎしりに寛容なのです。
一方、歯科インプラントは直接あごの骨にうわっています。
歯根膜のようなショックアブソーバーがありません。
したがって、噛む力がダイレクトに骨に伝わります。
結果として、インプラント周囲の歯槽骨が吸収したり、インプラントのかぶせものがかけたりします。時にはインプラントが折れたりします。
2回法インプラントではネジが緩んだりします。
歯ぎしりはインプラントにとって大敵なのです。

治療としては、暗示療法やマウスピース療法があります。
マウスピースでは一か所に力が集中しないように、ある程度均一に力が分散するように調整します。
歯ぎしり、特にグラインディングのあるかたは、インプラント治療後にはマウスピースを使用した方がいいです。

(2018年10月25日)

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