No.30HAコーティングインプラントを批判について思うこと

HAコーティングインプラントを批判する方々へ

最近、週刊誌等でHAコーティングインプラントに対して批判的な記事を見かけるようになりました。
あたかもすべてのHAインプラントが駄目になり、5年ほどでピンセットで簡単に抜けるようになると思い込ませるような記事に思えました。
当院で使用しているインプラントはアドバンス社製AQBインプラントと山八社製ミューワンインプラントです。
どちらもワンピースインプラントが多いです。
まず下記のレントゲンを見てください。
HAインプラント危険性
このレントゲンはHAコーティングインプラントの父ともいえる元東京医科歯科大学教授の青木秀希博士の口腔内に入れられたインプラントです。
先生が開発したAQBインプラントおよびミューワンインプラントが使用されています。
丸で囲った部位は1990年に治療されたAQBインプラントです(HAコーティングインプラント)。
治療後26年経った現在、立派に機能しています。
残りのインプラントはすべて山八社製ミューワンインプラントです。
このインプラントもHAコーティングインプラントで5年から10年の経過です。
先生は今年、(2018年現在)76歳になりました。
まるで自分の歯のようによく噛めて、現在でも研究意欲が旺盛な生活をおくられています。

 
次に、HAコーティングインプラントが有効な症例を述べます。
滝口先生らは,同一術者がチタンインプラントとHAコーティングインプラントを用いて左右上顎臼歯部にソケットリフト法でインプラント治療を行った症例を報告しています。
(滝口 昌親、吉田 和正ら:上顎大臼歯部に左右で異なるインプラントシステムにより咬合回復を行った1例,日先進インプラント医誌,5,15-19,2014.) 
症例の概要を表にまとめてみました。

部位 右上第一及び第二大臼歯 左上第一および第二大臼歯
使用インプラント アンキロス(チタンインプラント) AQB(HAインプラント)
骨幅 5mm,6mm 4mm
治療期間 7か月 2か月
再生骨の硬化度 低い 高い
インプラント底部の骨 確認できず 確認

チタンインプラント、HAインプラントとも良好に経過しているが、HAインプラントでは骨幅が薄いにもかかわらず、治療期間が短く、インプラント周囲の再生骨の硬化度が高い結果となっています。
この症例だけで、HAインプラントが優れているとは言い切れません。
しかし、かなり参考になる報告です。
HAインプラントに批判的な先生方にもぜひ読んでいただきたい論文です。
最後に、当院で治療した患者さんです。
以前にも紹介したことがある方です。
上顎大臼歯部に骨がなく、ソケットリフト法でインプラントをいれた患者さんです。
HAインプラント写真1 HAインプラント写真2
骨移植や人工骨など使わないで治療しました。
上顎右の大臼歯部は10年ほどの経過です。
このような患者さんに、チタンインプラントではどのように治療するのでしょうか。
入院して全身麻酔で腰骨を移植してインプラントをいれるのでしょうか。
それとも、死体からとってきた他人の骨を使うのでしょうか。
動物の骨を使うのでしょうか。
当院ではHAコーティングインプラントをソケットリフト法で入れるだけです。
しかも3か月ほどで噛めるようになりました。
 
インプラント治療は100%成功する治療法ではありません。
ときには、インプラントがあごの骨につかなかったり、数年でだめになることもあります。
HAコーテイングインプラントだけがその様な経過をたどると思わせるような週刊誌の報道には納得がいきません。
しかもインプラントの権威の先生方が週刊誌にコメントしているのは残念です。
当院でも、ほかの医院で入れたチタンインプラントをピンセットで抜いたことは何度もあります。
だからといって、チタンインプラントが悪いとは思いません。
チタンインプラントには良さもあると思います。
もちろんHAインプラントにも良い点はたくさんあります。

(2016年9月1日)

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