No.4ソケットリフト法で上顎洞粘膜が破れたらどうなるのだろうか・・・

サイナスリフト法やソケットリフト法で骨移植を行い不幸にもシュナイダー膜(上顎洞粘膜)が破れてしまった場合の危険性について先に述べました。
移植材が漏れ出て、人為的な上顎洞炎が発症する可能性があるということです。
したがって骨移植を行わないでサイナスリフト法やソケットリフト法が行えれば一番良いと岸本歯科医院では考えていることも述べました。

またサイナスリフト法は蓄膿症の手術(Caldwell-Luc technique)に準じるので
手術侵襲が大きくなるため、ソケットリフト法を採用していること、しかしながらソケットリフト法は剥離挙上する上顎洞粘膜が目で確認できないため、破れていても気づかない可能性がある欠点を有することも述べました。
では破れていたらどうなるのでしょうか?
GARYは死体を使った研究で4mmから8mm上顎洞粘膜を挙上して、76%で穿孔が認められなかったと報告しています。
BAUMANNは小さな穿孔の場合、そのままソケットリフト法でインプラントの植立を行い、6ヶ月後内視鏡で調べてみると正常な上顎洞粘膜が観察されたと述べています。
またサイナスリフト法の先駆者であるBOYNEは猿をつかった研究で、健康な上顎洞で穿孔が5mm以内であり、洞底骨が6mmあれば上顎洞に骨移植を行うことに疑問を感じると述べています。

したがって、上顎洞粘膜は破れないほうがいいに決まっていますが、
不幸にも破れてしまった場合、大きな問題は生じないと考えていいと思います。

しかしあくまでも骨移植を行わなかった場合の話です。


私は腰の骨(腸骨移植)や口腔内の他部位からの骨移植がよくないと言っているわけではありません。

現在、移植を伴ったサイナスリフトの方が主流に行われています。
骨移植を伴うサイナスリフト法でも必ずしも成功するわけではないこと、移植材が漏れ出る危険性があることなど、マイナス面の説明もしてくれる歯科医師のもとで手術を受けるべきだと思っています。

以下に根拠となった文献を記載します。(2009年1月20日)
1) Gary,M.R.,Zori,R.,John,B.,Petros,D.D. and TerrenCE,J.G.:Evaluation of maxillary sinus membrane response following evaluation with crestal osteotome technique in human cadavers.;Int. J. Oral Maxillofac. Implants,16,833-840,2001.
2) Baumann,A. and Ewers,R.:Minimally invasive sinus lift. Limits and possibilities in the atrophic maxilla;Mund Kiefer Gesichtschir,suppl 1,570-573,1999.
3) Boyne,P.J.:Analysis of perforation root-form endosseous implants placed in the maxillary sinus.;J.Long Term Eff.Med.Implants,3,143-159,1993.

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