No.40細くて短いインプラント

どんな部位でも太くて長いインプラントが埋入できれば理想的です。
でも、そのような条件がいい場合が少ないことが現実です。
骨造成することが解決することになりますが、痛いし腫れるし期間は長くなるし、成功するかどうかもわかりません。
万が一うまくいかなかったら、よりいっそう骨を失うことになります。
一つの答えは細くて短いインプラントを使うことです。
そんなこと可能でしょうか。
オールオン4で世界的に有名なDrマロの論文によりますと、細いインプラントは有効であるとされていますが、長いインプラントを使用していて、論文では1本も細くて短いインプラントは使用していません(Maló P and De Araũjo Nobre: Implants (3.3mm diameter) for the rehabilitation of edentulous posterior resions. A retrospective clinical study with up to 11 years of follow up. Clin Impl Dent Relat Res 13: 95-103, 2011.)。
岸本歯科では直径3mm長さ8mmの細くて短いインプラント(short and narrow implant)を埋入することがあります。
論文の一部に記載してあります(Kishimoto: Ten-year retrospective clinical study of 95 one-piece narrow HA-coated implants, J Bio-Integ 4:93-98,2014.)。
論文の発表は2014年ですが、その後8mmのshort and narrow implantの脱落はありません。
また、ソケットリフト法にも使用していますが、もちろん脱落はありません。
ソケットリフト法にshort and narrow implantを使用した論文もないように思います。
ワンピースのHAコーティングインプラントだからこそできるインプラント治療だと思います。
下記写真1は上顎小臼歯部にインプラントを埋入する患者さんのオルソパントモレントゲン(パノラマレントゲン)写真です。
ショートタイプインプラント1
オルソパントモレントゲンでは上顎洞にインプラントの尖端がかかることはわかりますが、難しい例ではないように思えます。
しかしCTを撮ってみると骨の横幅が薄いことがわかります(写真2)。

上顎洞CT

(写真2)上顎洞CT

岸本歯科では直径3mm長さ8mmのshort and narrow implantを使って骨移植を行わずにソケットリフトでインプラント埋入しました。
ワンピースの日本製HAコーティングインプラントです。
オペから2か月後には上部構造をかぶせ、かみ合うようにしました。
【下記写真3】は2年後のレントゲンです。

上顎奥歯のインプラント

(写真3)インプラント治療から経過2年

立派に機能しています。
チタンインプラントだとどのような治療法になるのでしょうか。
骨移植して骨の横幅をひろげ、サイナスリフトで上顎洞に骨造成するのでしょうか。
かみ合うようになるまで、何か月かかるのでしょうか。
私が患者ならそのような治療は希望しないでしょう。
(2017年10月30日)

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