No.59インプラントの長所と短所

インプラントの長所と短所

いろんなブログでこの話題はあがっていますが、あまり述べられていないことも記述しようと思います。

長所は

入れ歯と比較して、圧倒的にかめるということです。

ブリッジと比較して、歯を削る必要がないということです。
ブリッジをかけるためには、欠損部分の両サイドの歯を削らなければなりません。
歯を削ることは歯にとっていいことではありません。
虫歯になったり、歯周病になったりする環境を作ってしまう側面があります。
また、深く削ると神経にダメージを与えることになり、神経をとらなければいけなくなる場合があります。
神経を取ってしまうと、将来歯を失う可能性が高まります。
さらに、欠損部分の噛む力を両サイドの歯が補うわけですから、両サイドの歯の負担が高まります。結果、歯を失う可能性が高まります。

インプラントを入れた場合の両サイドの歯の寿命と、ブリッジをいれた場合のブリッジをかけた歯の寿命を調べた研究があります。
インプラントを入れた場合のほうが、寿命が長い結果になりました。

インプラントは噛むことと、両サイドの歯を守る最大の長所があります。

 

短所は

健康保険の対象ではありませんので、費用負担があがります。

手術を伴う治療ですので、必ず100%成功するわけではありません。少数ではありますが、インプラントが顎の骨につかない場合があります。

インプラント周囲に食べ物がつまりやすくなる場合があります。私たちも対応を考えますが、限界がある場合があります。患者さん自身がデンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的清掃具を使ってオーラルケアをしなければなりません。

完璧な自然の口元になるわけではありません。もちろん、自分の歯と見分けがつかない場合もあります。モデルのような口元になれると思うのは過大な期待です。

自分の歯は歯根膜という線維性の組織が歯根のまわりにあり、骨とくっついています。
クッションのようです。インプラントはあごの骨と直接くっつきます。したがって、インプラントは噛む衝撃が直接あごの骨に伝わります。
カンカンというような金属性の感覚がある場合があり、患者さんによっては最初は気になるかたがいます。

 

インプラントの良い点と悪い点を考えて治療を受けましょう。

(2018年9月1日)

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