No.22どうして骨移植をしないソケットリフト法を行うのか?

上顎奥歯部分の骨の高さが足りない場合、サイナスリフト法で骨移植をして骨を増やしてからインプラント植立するのが従来からの考え方でした。
ソケットリフト法では上顎洞粘膜が破れずに剥離できたかがわかりにくいため、反対する先生たちがいます。
サイナスリフト法やソケットリフト法の問題点は、移植骨の感染とインプラントが上顎洞に入り込むことがあることです。

サイナスリフト法で骨移植をおこなった場合、上顎洞粘膜をしっかり眼で見て確認して手術がおこなえるので、上顎洞粘膜が破れて、移植骨が上顎洞に入り込み、感染がおこる可能性は低くなります。


ソケットリフト法で骨移植を行うと、上顎洞粘膜が破れているかどうかはっきりわからず、移植骨が上顎洞に入り込み、感染がおこることがあります。

しかし、サイナスリフト法で手術をおこなっても、感染がおこる場合があります。
手術に100%の成功はありません。

もし上顎洞に感染がおこると、どんなに腕がいい口腔外科医や耳鼻科医でも簡単にはなおせません。

長期に抗生物質を服用したり上顎洞の手術が必要になったりします。

あえて誤解を恐れずに言うと、インプラントが上顎洞に入り込んだ場合、経験豊かな口腔外科医であれば、上顎洞からインプラントを取りだすことは難しいことではありません。

インプラント治療がうまくいかなかった場合のダメージも考えて、治療法を決めるべきだと思います。

岸本歯科医院では骨移植をおこなわないソケットリフト法を採用しています。

そのためにはHAコーティングインプラントが最適だと思います。
(2014年11月20日)

関連記事

  1. No.6インプラント治療には不得意な分野もある・・・(リッジエク…
  2. インプラント治療概論 No.74薬剤耐性を作らないために
  3. インプラント治療概論 No.28インプラント治療の功罪・NHKクローズアップ現代によっ…
  4. No.46既存骨重視のインプラント治療
  5. No.83電動歯ブラシを勧める歯科医は少数派
  6. No.5450年後の介護を考えたインプラント治療を議論しませんか…
  7. No.15抜歯と同時に入れるインプラント(抜歯即時インプラント)…
  8. No.76あえてインプラントの欠点について考える

休診日

PAGE TOP