No.72インプラントの使い分け―バックアップインプラントの必要性―

インプラントの使い分け―バックアップインプラントの必要性―

 岸本歯科で使用しているインプラントは、山八工業社製ミューワンインプラントとアドバンス社製AQBインプラントです。

どちらもHAコーティングインプラントに分類されます。

ハイドロキシアパタイトコーティングはチタンインプラントに比べて、骨との結合が得られやすいことは以前のブログでも述べた通りです。

ではなぜ、岸本歯科では2種類のHAコーティングインプラントを使用しているのでしょうか。

 同じハイドロキシアパタイトコーティングでも、AQBインプラントのほうが骨の条件が悪くても結合が得られる可能性が大きいように思います。また、ミューワンインプラントのほうがインプラント治療後のインプラント周囲炎などのトラブルが少ないように思います。簡単に言うと、条件がいい場合はミューワンインプラントを、骨の条件が悪い場合はAQBインプラントを使用しています。

 症例で説明します。

前方の1本はミューワンインプラントです(赤矢印部分)

インプラント使い分け

後方の2本はAQBインプラントです(黄矢印)

インプラント埋入するために骨にドリリングしていきますが、前方インプラントのドリリング時に適度な骨の硬さを認め、長めのインプラントが埋入できるため、ミューワンインプラントを使用しました。後方の2本は、ドリリング時の骨の硬さがやわらかく、さらに神経や血管に近すぎるため長めのインプラントが埋入できないので、AQBインプラントを使用しました。

 インプラント埋入手術に先立って、使用するインプラントの太さや長さなどは予想して準備するのが一般的です。しかし、先に述べたように、いざ手術を開始してみると、予想とは異なる骨の状態に出会うことがしばしばあります。柔らかすぎたり、硬すぎたりです。

また、出血が多く認められたり、患者さんが痛がったりして、予定していた太さや長さのインプラントが使用できないようなこともあります。

医院サイドはいろんな種類のインプラントを用意していれば、手術時の対応の幅が広がります。
インプラントのバックアップを用意すると言います。

岸本歯科ではいろんな太さ・長さのバックアップインプラントを常に用意して手術に万全をつくしています。

 2019年4月4日

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